元結の製造工程

技術・技法

1.裁断・撚り

元結原紙を10匁(通常の元桔の太さ)の場合15.5mm巾の紙テープ状に裁断し、2日程湿らせてから撚り機に掛けて撚りを入れ、紙紐状にしたものを綾巻きして撚り玉を作る。

2.加撚(かねん)

12間半(約22.5m)の長さのハザ場でカケハザに掛け、1本1本更に撚りを掛けながらワサに100本掛ける

3.木綿取り

扱きハザ場に手繰ったワサに掛けた100本の元結の撚り糸を張り、チャラ(細かくした米粉と角叉を混ぜて作る米糊・塗料)を含ませた木綿の布を一本一本M字状に通し、糸同士が直接触れぬ様に木綿取りをして扱く準備をする。

4.扱き(こき)

二本の扱き棒で木綿の布を上下から挟み、チャラを撚り糸の上に乗せ糸に糊を絡ませしごきながら扱いで行く(手扱き技術)。
チャラは乾きやすいので足しながら糸に馴染ませハザ場を3~4往復して強く扱くことで強度を増す。扱き作業は後ずさりして行なう。

元結の善し悪しはチャラ塗りと入念な扱き作業で決まると言っても良い。

5.乾燥

天日で乾かす(季節、天候によって乾燥時間は異なる)。

6.糊づけ・乾燥

米糊の入った糊管を口にくわえて、100本の撚り糸に右、左と吹き付けながら扱き棒で再び扱き(糊付け技術・手扱き技術)、更に乾燥する。

口にくわえる糊管は呼吸で量の加減をしながら吹き付ける。

7.艶出し

2本の竹で100本の撚り糸を挟み、後ろに体重を掛けながら竹の曲面を使って撚り糸の表面に艶を出す(艶出し技術)。2~3回往復し、強度も増す。

8.検(ケン)打ち

鯨尺の尺棒を使って規格の寸法(通常は約68cm)に合わせ、目安の箇所を100本まとめてコヨリで束ねる(鯨尺の尺8寸は約68cm)。

9.切断

鋏で100本の元結を目印の68cmの長さに切っていく。1作業で1島(4,000本)が仕上がる

天日に輝く元結

 

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