ひさかた和紙の話

 

【体験】ひさかた和紙の紙漉き体験 

清らかな水と豊かな自然に育まれたひさかた和紙。
その温もりを肌で感じられる紙漉き体験へ、あなたをご案内します。

[紙漉き体験の詳細はこちら]


「ひさかた和紙」とは

長野県飯田市下久堅地区で漉かれた和紙を「ひさかた和紙」と呼びます
(ひさかた和紙の会規約より)


みんなの和紙から、私の問いへ

第一章|みんなの和紙としてのひさかた和紙

飯田市下久堅で漉かれる「ひさかた和紙」は、地域の誇りとして、長い歴史を紡いできました。
推古18年の曇徴の渡来から、江戸期の技術導入、そして「全戸紙漉き村」としての繁栄――
この和紙は、地域の人々の暮らしと共にあり、みんなの営みの中で育まれてきた素材です。
断髪令や養蚕業の台頭、三六災害など、時代の変化の中で紙漉きの営みは姿を変えましたが、
「ひさかた和紙の会」によって、その技術と誇りは今も静かに受け継がれています。

– 和紙と元結、二つの物語が交わる場所
ひさかた和紙が育まれてきたのと同じ地で、元結もまた独自の発展を遂げました。紙を素材としながら、髷を結び、贈り物を彩る、もう一つの物語。
ひさかた和紙と元結の歴史を深く知る

第二章|私の工房の和紙に宿る「同空一如」

この地域の和紙との出会いは、私自身の問いを深めるきっかけとなりました。
私の工房で漉かれる和紙には、「同空一如」という感覚が宿っています。
それは、素材と空気、手と問い、誇りと営みが、すでに一つであるという気づきです。
地域の和紙が「みんなの誇り」であるならば、
私の工房の和紙は、「問いのかたち」として撚られたものです。
その違いは混ざることなく、響き合うものとして、元結堂南田の語りに息づいています。

終章|空のつづきとしての語り

ひさかた和紙は、地域の誇りとして、みんなの営みを支えてきました。
そしてその素材との出会いが、私自身の問いを深め、
「同空一如」という感覚へと歩みをつなげてくれました。
空のつづきにあるもの――それは、違いのまま、共に在ることを選び続ける歩みの先に、そっと現れてくるものかもしれません。

 

 

手漉きの手順>