悠仁親王殿下の「加冠の儀」にみる、厳かな姿。力士の髷を支える、力強い結び。
華やかな舞台でその役割を果たす元結の姿は、私たちの心を打ちます。しかし、元結の物語は、それだけではありません。
元結の真価は、目立たぬ「縁の下の力持ち」として、人々の暮らしや歴史、そして文化を静かに支えてきたことにもあります。
ここは、元結が紡いできた知られざる用途と、「万物は一つであり、分かちがたく繋がっている」という同空一如の精神を巡る旅の入り口です。さあ、元結の多様な世界を、ご一緒に紐解いていきましょう。
真価は、目立たぬ所に宿る
歴史と知を紡ぐ、公文書の綴り紐
現代ではホッチキスやクリップが主流ですが、かつて諸官庁や図書館、寺院などでは、大切な公文書や書籍を綴じる紐として元結(あるいはその原形である「こより」)が広く用いられていました。
耐久性に優れ、紙を傷つけない元結は、日本の知の宝庫を、静かに、そして確かに守り続けてきました。 この姿は、主役ではなくとも、その本質的な力で全体を支える「同空一如」の精神そのものです。
暮らしに寄り添う、小さな結びの物語
人々の暮らしに息づく、小さな結びの物語
元結の用途は、格式高い場所だけに留まりません。かつては、薬局では薬袋の口を、茶舗では茶袋の口を、優しく、そして力強く包み守っていました。
元結が持つ手触りの温かさ、天然素材ゆえの安心感、そして結びの美しさが、日々の生活の中に「和」の心と丁寧さを添えていました。ここにもまた、異なるものが互いを尊重し、支え合う「異空同空」の精神が息づいています。
華やかな舞台で輝く元結
そして、華やかな舞台へ
一方で、元結は古くから、日本の伝統文化の極致を彩ってきました。
【悠仁親王殿下「加冠の儀」にみる、元結の役割】
悠仁親王殿下の「加冠の儀」では、冠の「掛緒」として元結が用いられ、儀式の厳かさと格式を静かに支えました。この貴重な一瞬は、元結が持つ普遍的な価値と品格を改めて私たちに示してくれました。
詳細を見る >悠仁親王殿下「加冠の儀」にみる、元結の役割
【大相撲の髷を支える、力強い結び】 日本の国技である大相撲の世界で、力士の髷を一本一本しっかりと結い上げる元結。土俵の上で繰り広げられる力強いぶつかり合いを、目立たぬ存在ながら、確かな強度と技術で支え続けています。
元結は、その使われ方によって、厳かな儀式を支える品格ある存在にもなり、人々の知を守る静かなる守護者にもなり、日々の暮らしに寄り添う温かな道具にもなります。その全てにおいて、元結は変わらぬ本質的な価値と、「結び」の力を発揮し続けています。
私たち元結堂南田は、このような元結が紡いできた多様な役割と可能性を深く探求しています。
【皆様からの情報をお待ちしております】 この記事で触れたような元結の用途、あるいは新たな「異空同空」の物語をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ私たちにお聞かせください。 皆様の「空」からの情報が、元結の未来を共に創造する糧となります。お問い合わせはこちらのお問い合わせフォームからお願いいたします。