いいえ、現在は機械で漉いた和紙を使用しています。
昔は手漉きの和紙を細く裁断し、撚り繋いで紐状にしていました。この作業を「紙端撚り(かんばしより)」と呼び、紙同士のつなぎ目をいかに上手につなぐかが職人の腕にかかっていた、非常に大事な作業でした。つなぎ目が目立たないことが、元結の美しさと品質を左右する重要な要素だったのです。
しかし、現在は技術の進化により、つなぎ目がほとんどない長いロール状の和紙を細く切り分けることができるようになりました。その和紙のテープに撚りをかけることで、均一で強靭な元結に仕上げています。
昔ながらの技術と、現代の効率的な製法を組み合わせることで、私たちは変わらない元結の品質を維持し続けています。
【元結堂南田の未来への挑戦】
機械で漉くことは大きなメリットがありますが、元結堂南田では、かつての「紙端撚り」の技術を用いて元結を作ることを目指しています。工房で丹精込めて育てた楮から紙を漉き、その紙から真の工房産の元結を生み出したいのです。
今は作る人のいない、元結専用の「晒紙(さらしがみ)」の製造法を復活させ、和紙を撚り繋ぐことで、元結堂南田ならではの、唯一無二の元結を皆様にお届けしたいと考えております。