日本の国技である大相撲において、力士の最高位である横綱。その力士のみが身につけることを許されるのが、神聖な「綱」です。
この横綱を締め、土俵入りを彩る「綱」の姿を完成させるために、特別な元結が使われていることをご存知でしょうか。今回は、その横綱の「綱」を結ぶための特別な「横綱元結」に焦点を当て、元結が持つ秘めたる力と、最高位に宿る伝統との関係性を紐解いていきます。
もしご興味がございましたら、以下の動画で、その結髪の様子と元結が果たしている役割の一端をご覧いただけます。
▶公益財団法人日本相撲協会「横綱大の里 綱打ち SUMO」- Youtube
綱打ちの所作の中で元結が使われる様子が記録されています。
【特に注目!】動画の1分48秒頃から、「横綱元結」を使って横綱の「横綱」の結びを仕上げる様子が確認できます。
この映像で使われているのは、横綱の「綱」を結ぶために特別に用意された「横綱元結」です。この元結は、単に綱を固定するだけでなく、神聖な儀式を執り行うにふさわしい品格と強度を持つことが求められます。
横綱の「綱」に宿る伝統と元結
日本相撲協会の情報によると、横綱が締める綱は、米ぬかで揉みほぐした麻を晒し木綿で包み、3本をより合わせて作られています。その重さは約5〜6kgにもなり、力士の象徴として土俵で共にあります。
また、横綱の前に垂れている「垂(たれ)」は厚めの和紙でできており、綱に挟み込まれています。この和紙製の「垂」と、それから続く結びを固めるための元結は、同じ和の素材から生まれたものとして、互いの存在を際立たせ、神聖な横綱の姿を完成させているのです。
私たち元結堂南田は、このような最高峰の舞台で求められる元結の品質を胸に、日々ものづくりに励んでおります。
【補足】横綱・照ノ富士関の「綱」に宿る力
現在、土俵の頂点には、もう一人の横綱、照ノ富士関がいらっしゃいます。
こちらの動画は、NHKが制作した横綱の「綱」が作られていく過程を記録したものです。大勢の力士たちが、力を合わせて一本の綱を作り上げていく姿は圧巻です。
【午後LIVEニュースーン】横綱の「綱」ってどうやって作ってるの?【SOON相撲部】| NHK
【特に注目!】6分59秒あたりに白くて細い紐が見えます。こちらが横綱元結です。
この綱作りの過程にも、元結の持つ「結びの力」が息づいています。多くの力が一つとなり、神聖な綱が完成する様子は、まさに「同空一如」の精神が具現化された瞬間です。
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